OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 節 句 っ て・・・ 』

金沢で節句と云えば、一昔前は旧暦で行われる事が多かった様です。
     
 桃の節句は四月三日、北陸では三月と云っても初旬は雪が降ったりの日が多く、お雛様を飾るのも三月三日の雛祭りに合わせると二月の中頃から飾らなくてはならず桃も咲かない寒い中、気持もいまひとつ・・・
やはり少し暖かくなった頃にお雛様を飾り、桃の花を添えるのが桃の節句らしいのではと金沢の人は思ったのではないでしょうか?
 それが数年前から、年明け早々から雛人形の宣伝がテレビで流されデパートでも飾られるようになると、金沢でも三月三日の雛祭りが当たり前になって来たようです。。  
それでも四月まで飾ると云う話もよく聞き、我が家でも三月にお雛様を飾り四月三日にきっちり片づけています。(嫁入り前の娘がいるので三日には必ず片づけてる!)

 桃の節句の菱餅は、搗いた餅を菱型の折りに入れて造ります。折りは一升入・一升五合入・二升入の三種類があり、婚家先へ紅・白・緑(草)の順に重ねて切らずに大きいまま贈るのが昔は一般的で、頂いた家では適当に切って親戚・知人・近隣などに分贈していました。
これは、嫁いで初めての桃の節句と女児が生まれた時に贈られていました。
 今では女児が生まれた年に菱餅に雛菓子・雛あられ・白酒・干鱈を添えて贈られている様で、菱餅も切ったのを持って行かれる方が多くなりました。。 参照四季の折々【桃の節句】
  
 端午の節句も、戦後五月五日が「子供の日」として国民の祝日と云われていても金沢では菖蒲が出回る旧暦の六月五日に行われていました。
男の子が生まれたら、粽・柏餅・まき団子(小豆・きな粉)などを婚家先へ贈り、これを親戚・知人・近隣に配って子供の成長を祝い無事を祈ったものです。          


柏餅 まき餅

当店でも、団子を笹の葉で巻き藺草で縛り粽を造り蒸して並べていたそうですが、今は草だんご(餅に団子を少し混ぜ草を入れ搗いたもの)に小豆餡ときな粉を付けた滴形の餅と柏餅を節句餅として並べています。
粽に造る時に使う生笹を5〜6月にかけて取りに行っていた所も開発が進み年毎に宅地となり、今では夏の生菓子くず餅・笹餅用の生笹を6月初旬に山の方でやっと調達すると云う様な近郊の変化の中、粽を造るのをやめて十年以上もたちます。。

 旧暦の端午の節句には加賀の温泉の『菖蒲湯まつり』など勇壮な祭りもあり、暮らしの中での行事は昔の様に地域の季節感を大切にした方が良いのではと思いますが、鯉のぼりも 「子供の日」で忘れ去られてる様です。。

  

山へ、しば刈りならぬ笹取りに行くのが暇な夏の大仕事だねぇ〜!


2008/6/3

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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