OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 師 走 ? 幸 せ ? ・・・ 』

十二月に入ってから小春日和の様な日があったりで雪のない“大雪”も過ぎ、兼六園の雪吊りは青空の下・街の木々にほどこされたクリスマス・イルミネーションも星空の下で輝いていますが、予報では今週から雪マークが付いていたのでやっと北陸の師走らしくなってくるのかと思っています。
 
 今日(12月14日)は【赤穂浪士が討ち入りした】と云われる日で、一昔前ならこの時期【討ち入り】のドラマがどこかのテレビ局で放映されていたものでした。
 昨日縁あって出席させて頂いたお茶席が“義士茶会”と名付けられていて、待合から茶席へ移る時太鼓が打たれ【浪士討ち入り】を演出したものでした。茶菓子は“雪”で上品な練り菓子で美味しかったです。
 
 誘って下さったのは“OKAMIのぼやき”『おかみの初舞台』で汗を流して(冷や汗?)舞った“猩々”を教えてくれたN君で「今度“猩々”を舞うので見に来んか?」と・・・ 
 彼の先生と一門が執り行う『年忘れ謳舞の会―能と茶そして能姿展―』で、金沢が誇る“21世紀美術館”近辺の文化ゾーンに並ぶ茶室・“能楽美術館”にて行われるとの事、こんな機会でもなければご縁の無い所なので日曜の午後出かけたのでした。
 
 金沢出身の六十代以降の人達なら中学時代に観能(能・狂言)で“石川県立能楽堂”に一度は必ず訪れているとは思いますが、今の小・中学生は金沢の伝統芸能を学ぶ機会が豊富に与えられていて、この“能楽美術館”もホールの様な延べ床に舞台が仕切られていて子供達の学びの場にも利用されているそうです。
 
 彼の先生である“藪 俊彦”師は、能を教えて沢山のお弟子さんと出会いその中で茶道・華道・書道・絵画・陶芸と次々と学ばれ、その道も極めつつある人生の達人の様な人との話でした。
 
 “猩々”の演能は、初めての公開とも云える装束の着付け説明から見せて頂き、総勢16名の紋付袴姿の地謡の方が並ぶ中で厳かに始まり、全身赤い衣装で赤い“面”を付け謡い舞う姿は如何にも“猩々”らしく、私も習い覚えた謡の所では忘れたと思っていた謡が口をついて出ました。苦労した舞いも次々と思い出され、しばし“猩々”となっていた様です。。
  

能1 能2 能3 能4

“能楽美術館”を出たら冬の早い夕暮れ時でしたが、忙しくなる暮に向けて英気を養い改めて金沢に生まれて良かったと思われた心地良い一時でした。 
    
 最近「厄除けって本当にしなくちゃいけない?」とか「ころころ餅ってした方がい〜い?」とか聞かれる事が多くなりましたが、この地で育った文化や慣習は伝承してゆけば必ず良かったと思われる時が来ると信じて皆様に伝えてゆきたいと心から思いました。。 

  

紋付袴姿の中に顔見知りの方もいらした様な!?職人の貴方も習ってみたら?


2009/12/14

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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