OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 金 沢 名 物  氷 室 饅 頭 を ・・・ 』

加賀藩では、白山の雪を氷室に貯え『氷室(六月)の朔日』(今の7月1日)に将軍家へ献上する習わしがあり、これが一般に広がり百姓・町人はなごし(夏越し)の体力を養う為に麦饅頭を『氷室の饅頭』と称して食する様になり今に受け継がれているのです。
 
 7月1日は『氷室饅頭』を各ご家庭、嫁ぎ先への進物、会社・商店などでは従業員に配布する等して金沢の夏の風物詩となっており、遠方に行かれた方々には郷土の懐かしい味としてご賞味頂いております。。
 
 金沢の生菓子店では今、『氷室饅頭』作りに追われている事と思います。

当店でも進物用にと先週の土曜・日曜にかけて注文があり、ここ数日間仕事場では饅頭作りの蒸気の中汗を流しております。
 
 私が嫁いだ頃、当店には営業用の冷蔵庫も無く29日〜1日にかけては徹夜仕事でその日の販売分を作っていて、明け方になると饅頭を作る手元が暑さと眠気で回転して目眩がする様な気がしていたものでした。
 現在は早くから作り冷凍している店が多い中、冷凍庫を持たない当店では数日前から作り始め冷蔵した饅頭をその日の注文と販売分を蒸し上げていて徹夜こそしなくなりましたが、30日〜1日は夜中から起きて手間をかけている事は昔も今もあまり変わらない様に思います。。  
 
 毎年1日には朝早くから店を開き、買いに来られるお客様との応対で「夏が来た!」と実感しています。近くのお寺では『一ッ灸』の行事もあり、お灸をして帰りに饅頭をお買い求めに寄られるお客様もいらっしゃいます。    
暮れの餅搗きと違い、注文の品より店頭販売の方が多いので作った饅頭が売り切れてしまうと終わりと云う事で、お買い求めになれなかったお客様には大変申し訳ないと思っております。。 

 昔は『氷室饅頭』を作っている頃は日中だけでなく夜中も暑くてたまらない毎日でしたが、ここ数年は日中暑くてたまらないと思う日は一二日で朝晩は過ごしやすい日が続いている様に思われます。

 饅頭屋は『氷室』が過ぎると本当に長〜い夏休みとなるので、店主共々今年の前半最後の力を振り絞って明日からの『氷室の日』を迎えます。。 
 
 今年も『氷室饅頭』を召し上がって、皆様が元気に夏をお過ごしくださいます様祈っております・・・

  

毎年『氷室』が過ぎると、「今年こそ○○山へ!」と元気がでるねぇ〜


2009/6/29

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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