OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 氷 室 饅 頭・・・ 』

七月一日、山開き・海開き・・・金沢では氷室饅頭!金沢を中心に加賀などで、どれ程多くの人々に賞味されて頂いてるのだろうか菓子屋はもちろんスーパーに〔紅・緑・白〕山積みの氷室饅頭が見られます。 ポスター
     
 金沢生菓子専門店会の氷室行事は毎年、誓願寺での氷室饅頭を最初に製作されたと云われる道願屋彦兵衛翁の墓参りに始まり、昭和37年より行われている養護施設等への氷室饅頭寄贈と続き、ここ数年は東京都内で無料配布も行われたりで六月末日〜七月一日の氷室饅頭販売へと進みます。。

氷室饅頭 
 ここで『氷室饅頭とは?』と思われてる方に・・・
 
 藩政時代の陰暦六月朔日(今の七月一日)、加賀藩江戸邸から氷を将軍に献上するのが恒例となっておりました。
医王山や倉谷の美しい雪を冬から夏まで城内の氷室に貯蔵して出来た天然氷を筵と笹の葉で幾重にも包んで二重の桐の長持ちに容れ、八枚肩の脚夫によって昼夜通して走り続け、途中数ヶ所で新しい脚夫に引き継がれ四日間を要して江戸まで120里の道を急送されたとの事です。
 この日は藩公もまた氷を喫し、近臣にもこれを賜与しました。
氷室の節句の当日は砂糖を加えない塩味の餡入り麦饅頭を造り、炒った米・炙った豆・干し餅などとともに間食に供したそうです。
  
 その事に因り、冬の長い間、雪に埋もれた麦を材料として作られた饅頭を、氷室行事用・氷室進物用として「万の頭に出世する」「なごし(夏越し)の体力を養う」と売り出され、たちまち人気沸騰し夏負け防止の縁起を祝う贈答品として用いるゆかしい風習が今に受け継がれているのです。各家庭はもちろん、嫁入先へ持参して親戚・知人・近隣に分贈したり、会社・役所・商店などでは従業員に分配するなど一般的な習慣となっています。
また、杏・竹輪などを氷室饅頭に添えて贈られる方もおられます。この様な風習が現在にも残っているのです。。

 
 どうぞ、いつまでも心に残る郷土の懐かしい味『氷室饅頭』を今年も是非ご賞味下さい!!

  

私達も氷室饅頭食べて、長〜い夏を乗り切らなくては・・・


2008/6/22

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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