ここ2〜3日金沢では雨風の日が続き、雷は光るわ霰は降るわその挙句には竜巻注意報まで出て開店休業の日々を過ごしています。
北陸では12月頃になる雷を聞いて『鰤お越し』と云って実家の母が「寒ブリも上がって、いよいよ魚美味しなるね。」と云っていたのを思い出します。
二十四節気の小雪をひかえて空も忙しくなっているのか?近江町市場にもカニが並び賑わっている報道もありました。
寒ブリは娘が嫁いだ家へのお歳暮に贈られるもので、富山生まれの兄嫁が嫁入りした年の暮れ大きな寒ブリが届けられ魚屋さんにさばいてもらいましたが、後で聞くところによると半身はお返しすのだそうですが知らぬが仏で暮れからお正月にかけて鰤づくしでした。
鰤は出世魚とも云われて、夏頃に食べるコズクラから秋頃にはフクラギと少し大きくなってガンドからブリと切り身で買うようになりますが、出世とは縁のない店主はコズクラの色付けや煮物フクラギの醤油付けや煮物が好きで鰤のなってからはあまり食べたがりません。
私の時、12月は忙しい事もあり鰤を貰っても・・・との姑の返事で夏のお中元のいなだ(鰤の燻製)は貰っていて、店主が山登りの時の酒のつまみとして喜ばれていました。
九月の金沢市市議会で『金沢の食文化の継承及び振興の関する条例』が制定され、あわせて2015年春開業の北陸新幹線のカウントダウンも始まり行政・経済界共に慌ただしくなっている様です。
菓子業界も主要都市でのイベントに出店する方や新製品開発の人など頑張っている方の話が聞かれて、当店にも「北陸新幹線の開業も決まり、石川県のゆるキャラも決まりキャラクターを使ったお菓子を作る予定はありませんか?」との電話がかかって来ました。
店主の返事は決まっているので丁重に「家の商品は生もので考えれんがや。」と云いましたが電話を切ってから、三年前のお彼岸時分に美大生制作の器に飾る生菓子として石引商店街のゆるキャラびっきぃの『びっきぃ饅頭』を作ったのを思い出しました。
薄皮饅頭をびっきぃの黄色に作り焼印を押したものでしたが、商店街の人達がイベントの時売ればいいと云ってくれ当時遊びに来ていた外孫もたいそう喜んでくれました。
最近では『倍返し饅頭』が有名で、同じく倍返しの焼印を押した黒糖饅頭ですがTBSのグッズとして驚くほど売れたと新聞で読んだ記憶があり、「ひゃくまんさんの焼印押した饅頭は?」なんて店主を炊きつけてはみましたが無視されました。
所詮商売人には成れないもんね!