昨日の新聞に気象庁が九州南部梅雨入り発表と載っていて、昨年に比べ20日早く平年に比べても8日早いそうで、そのうえフィリピンの方に早くも台風が発生している様です。
又、今月初め頃から赤潮が寄せてきて19日には風光明媚な“能登金剛巌門”に、21日には羽咋の港“滝港”が赤く染められた事もあったそうです。
今年に入って世界各地で地震や竜巻がおき人知の及ばない自然界で何かが蠢いている様で、行き先の分からない不安な思いがします。でも何を考えても大きな自然界の中で人間の一生なんて瞬きする間もない程の事、今を一生懸命生きるしかないのでしょうか?
生きる為に与えられた仕事(?)で、昔から続けてなんて云いながら作るのをやめた商品があります。
先日、包装紙などを整理していて見慣れない包み紙を見つけました。透けてつやのある上質の和紙で“酒万頭”の印刷が模様となっている、姑に聞くと「酒饅頭を作ってた時の仏事用の焼き饅頭を包んだ紙」との事で、数百枚の束が梱包されたまま数個・・・もったいない。
酒饅頭と云えば、私が当店に嫁いだ頃には注文や氷室などで今の薄皮饅頭と共に事有る毎に作っていました。
昔からの製法で酒種を作り、混ぜ込んだ皮で餡を包んだ饅頭を電熱ホイロで発酵させたのを蒸し上げる手間暇のかかる作業でした。
仏事用では、大きな饅頭の表面をハスの花などが彫りこまれた熱板に押し付けて焼き目を付けてる香ばしい匂いが仕事場に漂っていたものでした。
何時の頃からか電熱ホイロが無くなり、酒種を混ぜ込んで作っていた皮も水に変えて清酒を混ぜた皮で包んだ酒饅頭と成り、「蒸し上げた時しか酒の匂いせんし理屈無い!」と店主の一声(「酒は酒として飲む!」が本音)で現在の饅頭だけになりました。
昔話を聞けば、先代の友人のパン屋さんをしていた方から酒種の作り方を丁寧に学び作っていたそうですが、何分にも《麹》は生き物で温度や湿度にも敏感に息をしているので昼夜を問わず酒種を見る様この方の指導が来て、元来飲んだら寝るの店主では続くはずも無く・・・
その後は学んだ事を自分流にしていた様で、酒饅頭は味は良くても形が綺麗に出来上がる事はまれで正直やめて正解だと思っていました。
でも、この包み紙を見て昔ながらの味のする“本物の酒饅頭”を作ってふんわり包みたい!と思うこの頃です。。
丁寧に育てた酒種から、もう一度酒饅頭作ってみませんか!?