寒明けからの寒波到来で寒い日が続きますが、降り積もる雪も消えては積りで季節は春に向かっていると思うので気持ちは楽です。
今日は店主と私の36回目の結婚記念日です。
氏神様の神社での結婚式に向う時、拝殿前の上り坂が雪でツルツルになっていて車がスリップして戻らない様に運転手が気を配っていたのが思い出されます。(来た道を戻ると縁起が悪いと昔の人は云っていた。)
二月は饅頭屋の暇な時期なので一週間の新婚旅行は店主にとって父親亡き後店を守ってきて以来初めての長期休暇で、積った雪にアーケードが潰されるのではと心配しながらも好きな乗り物に思う存分乗り継ぐことが出来嬉しかった様です。。
帰ってからは挨拶回りや、役員の中で一番若いと云われながら加わっていた商店街・生菓子組合の人達を招いて二回の披露宴と続き、短い二月は瞬く間に終わり三月〜四月と饅頭屋にとって一番忙しい日々が続く様になり夢から現実へといっきに引き戻されました。
普通の家庭に育ち、冬は暖かい部屋で過ごすのが当たり前だった私は、開け放った店でストーブひとつを前に置いての店番・夜中から起きて寒い仕事場での作業は、冬から新生活を始めた事を後悔したものでした。
又、実家では兄姉は独立し両親との気儘な生活をおくっていた私、店主との生活は俗に三日・三か月・三年と夫婦の危機があると聞きますが、四六時中一緒の事や三合の酒を飲み寝ている姿を見たりで1〜2日で「大変な処へ来た!」と思ったものでした。(その後二年程で「三合は中途半端、二日で一本の五合が良い!」と云って三十年近く晩酌五合の日が続きましたが今は四合ぐらい。)
嫁いだ後、体が順応するには5〜6年以上もかかった様な気がします。子供が小さい頃は朝起きられなかった事もたびたびあり、今思えば忙しい中で姑や店主には随分と迷惑をかけたものですがその後大病もせずに過ごせた事を感謝しています。
寒くて暑いそのうえ忙しい家で子供達は、医者にかかる事も数えられるほど健康で、それほど手をかける事無く育ってくれました。
心の方は、いまだに時々順応出来ませんが何とか饅頭屋のOKAMIとして毎日を過ごしています。
最近相撲界では数々の問題が起こり、先日の対談で内舘さんが「伝統の中では改革も良いが守る事も必要で、何を守るべきか見極める事が一番大切な事!」とおっしゃってましたが私も、昔からの行事や神事それに伴う生菓子や餅がすたれていったり形が変わっていくのがこの頃あまりにも急激な気がして、本当に伝承しなければいけない事・守らなくてはならない事は何なのか?と考えています。。
店主が何時も云っている様に、時代に沿って『残るものは残ってゆく!』と思ってはいますが・・・
「お前が家に合わせて当然!」と云ってたけど、貴方も少しは変わったかな?