OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 贈 り 物 ・・・ 』

カレンダー最後の一枚『12月』となり、当商店街も“歳末大売り出し”が始まります。
 デパートや繁華街でもお歳暮や歳末商戦で今年最後の売り出しに社運をかけている所もある様ですが、先の見えない不況の中なかなか厳しいみたいでデパートのお歳暮特設場も寂しそうでした。
 
 このたび映画化される事が決まったと(10/28付北国新聞)掲載された「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」の、幕末から明治にかけての激動期に金策に追われリストラに怯えながらも必死に生きた主人公加賀藩士の姿が、平和でも不況にあえぎ不穏な世情の中生きる現代人と重なり学ぶべき事が多く22年秋の映画公開が待ち遠しです。。
 
 二年程前に書店で“マスコミでも話題沸騰、圧倒的面白さ!”との赤い帯のかかった新書本が目にとまり「加賀藩」に惹かれて購入、本当に面白くて一気に読んだ私は今映画化される事を知り、新聞にも書かれていた様に「金沢に息づく文化・伝統・人情の源流」の幅広い魅力を全国に発信する良い機会だと本当に嬉しく思っています。 

 藩政時代、社会経済が激変する中懸命に生きて「武士は食わねど高楊枝」の俚諺どおり貧しくても誇り高い加賀藩士のDNAが金沢の人達の中にもかすかでも残っていて、他所には無い人付き合いがある様に思われます。

 「盆・暮の付け届けは、嫁の実家からの援助を受けながらでも滞りなくする。」と云った様に嫁の実家は事あるごとに頼られた様で、時代を経ても私の母など三人の娘がいる家があると「娘三人持つと大変やねぇ〜」と云っていた意味や、当店の商売で『なんと嫁ぎ先への届け物が多いのか!』と思ってきた事が金沢の昔から伝わった生き方として理解出来ました。

 そんな思いでいた中、《金沢のしきたり展(婚礼)》が近江町の「金沢アートグミギャラリー」で開催中と聞き、見に行って来ました。   宝船 
 ドアを開けて目に飛び込んだのは水引で作られた飾りの〔宝船〕で、会場であるホールの天井からは十数枚の〔花嫁のれん〕が吊り下げられたなびいていました。
 水引で飾られた結納品が並べられ、飾りセイロや婚礼菓子(寿せんべい・五色生菓子)が並び、輪島塗の立派なお重と共にお重を包む豪華な刺繍がほどこされた〔ふくさ〕なども飾られていました。
 飾り品の保護の為か空調がきき採光がおとされシーン(他に人がいなかった)とした中、パネルに写された〔お道具運びのトラック〕や〔花嫁のれんをくぐるお嫁さん〕〔仏壇参りしてるお嫁さん〕などに今は少なくなった婚礼の様子を思い起こしていました。。

のれん 結納品 お重 ふくさ

まだ数日は展示されていますので興味のある方はどうぞお訪ね下さい。 
    
【参考】 
  ☆「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」 
        歴史学者  磯田道史 著書  (新潮新書)
     ―加賀藩御算用者 猪山家が三世代約37年間つけ続けた入払帳(家計簿)を分析―

  ☆「金沢のしきたり展(婚礼)」   無料
        場所  金沢アートグミギャラリー(北国銀行武蔵ヶ辻支店3階)
         11月21日(土)〜12月13日(日)10時〜18時(水曜定休)

  

家計簿は一応つけてるけど、もし後の世で見られたら恥!?同情されるよねぇ〜


2009/12/1

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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