OKAMIのぼやき

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『節 分 の 思 い 出・・・』

2月3日は節分!寒も明け翌日は「立春」と春を目指してまず一歩・・・
一月中は店主はあちらこちらの新年会続き、店も定休日以外で休業したり肩身の狭い思いをしていました。      
でも店の方は開店休業状態・・・中頃からつき直し寒餅の注文で時間的にもゆっくりと仕事ができ、寒さの折体力に見合った仕事の量だったのかも。
 
 厄祓いも節分まで・・・例年の様に当店の厄祓い用の鏡餅も、得意先のお寺で信者の方々から受けた餅の注文を以て最後となる。 

以前当店の近くにあったこの寺には、金沢市内だけでなく能登・富山の方からもたくさんの信者がお参りに来られ当店でお供えの餅菓子などを買い求められた方々が、お寺が小立野より奥の方に移られてからもよく立ち寄られたものだ。今は車で通り過ぎる方のほうが多い。
           
 この寺の厄祓い用の餅も三十年程前は二升重が90重近く注文され、箱に入れて重ねても一回に多くて30重、車体が沈むくらい積んで雪の中を数往復・・・

それにしても寒明けの二月初めは雪がよく降る、忘れられないのは二十数年前の配達で、移っていった寺の付近はリンゴ畑が広がり大雪で車も大通りまでしか入れず、止めた車から店主がバイクに餅の入った箱を3箱ぐらい積んで姑が後ろを支え畑の中の雪道を何往復も運んだことだ。私も寺の横手の崖の階段を二升重が3重入った箱を抱え一つ二つしか着いてない足跡を頼りに運んだ。雪は降ってくるし餅は濡らすわけにはゆかないし、重いし、薄暗くなってくるし、泣きそうになって運んでいたのが思い出される。(皆 若かった!)
こんな思いをして運んだ鏡餅・・・この年の厄除けはさぞかし効果を発揮したものと思う!

 毎年お寺の中で餅を飾っている時、受験をひかえた親子がシーンとした寒い中で一生懸命参っている姿が印象的だ。
かくゆう私も、仕事がらお寺に配達する機会も多く我が子の受験の時には宗派を問わず出入りする所すべての仏様・神様に祈っていたものだ。今でもお寺に入ると自然と手を合わせてしまう・・・   

 ここ数年は鏡餅も一升重となり数も少しずつ少なくなり、比較的雪も積もらないし積もっても寺の近くが住宅地になり高校や大学が出来た事もあり道路も広くなり常に除雪され、小高い所にあるお寺への坂も除雪してあって配達も随分と楽になった。


お寺にはよく不動明王とか云って鬼のような形相の者が寺を守っているけど飲んで赤鬼のような顔してこの店を守っとるん!?


2008/1/30

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

OKAMIへ