OKAMIのぼやき

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『成 人 式 っ て・・・』

今年の成人の日は暦の上では1月14日となっています。   
 当店にとって毎年の本格的仕事始め、正月気分を一掃する機会でもあります。

 数年前までは、3日に店を開けても餅が騒いでいる間は開店休業状態で、七草を過ぎて店の切餅が少し売れ餅搗きの注文がポツポツと入り、成人の日少し前から漉し餡入りの朝生菓子を造りだし忙しい成人の日までに身体を働きモードに!

初売りの3日にこだわらなくなってからは比較的ゆっくりと正月休みを取っていたが、2000年のハッピーマンデー法が施行されてからは1月の第二月曜日が成人の日となり、昨年は一番早く来る第二月曜で注文の為早くから店を開けたものの成人の日というムードはいまひとつでした。
第ニ月曜とは言っても、地域によって成人式が行われる日はバラバラで当店の周辺の地域ではその前の土曜日になる事が多い。

 前に行われていた15日の成人の日と云えば一番雪の降る時期で、足元も悪く晴れ着を着た娘さん達(着物?)が心配なものでした。でもここ数年は、日にちが変わったせいか温暖化のせいか良い天気の日が続いている様な気がします。
天気の事はともかく、定まった日に行われる方が行事らしくて良いと思うのは私だけでしょうか?最近ますます成人の日が好きな時に行われている様に思われます。   
それにしても、娘や息子達の時代よりなおいっそう子供の人数が減った事もあり、当店の前を行く晴れ着姿を見る機会もめっきり少なくなりました。

 我が家の子供達の成人式は、親子共々大変な思いをしたものです。特に娘の時は、仕事の合間に美容室に迎えに行ったり会場まで送ったり・・・でも親子で式典に出席している友達を見て子供達は寂しい思いをしていたのでは?と今思っています。   
店主の話を聞くと、自分の成人式の時は今と比べようもなく忙しい中、配達の途中チョト式に顔出ししていたとの事です。
かくゆう私の成人式は、美容室で初めての化粧で付けてもらった『つけマツゲ』と『アップにした髪』で他人の顔をのせている様な気分だったものです。

 成人式出席者も私達の時代は、すでに社会人となっている人が多く先輩達や社会に鍛えられ、成人式とは改めて大人となった自覚をうながすものでしたが、今は成人と云ってもまだ親がかりの子供達の方が多い様でマスコミなどで毎年の騒ぎを見ると、どうしたものかと思う・・・
なにはともあれ、久々に会う幼友達との語らいはいつの時代も楽しいひと時に変わりはありませんがねぇ〜。   
 
 お祝い返しも赤飯・饅頭といった定番のものから、若い人が考える洒落たものに変わりつつあるのか以前ほどの注文はありません。でも、「せめて家の神様・仏様には我が子の成人の報告に赤飯のひとつもお供えに!」と思うのは商売柄だけに考える事か?

      どんなに忙しくても配達の道すがら成人式会場前で晴れ姿の子供達を見て来るんだからぁ〜。

2008/1/11   

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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