当地にある三神社の秋祭りも順次終わり、お彼岸も終わりましたが小豆を使った生菓子が益々美味しい季節となってきました。
そこで、和菓子屋にとって大切な原材料である「小豆」について菓子工業組合の冊子を参考に書きましたので頭の片隅にでもおいてご賞味頂ければ・・・
★小豆の由来
中国から伝わったのは3〜8世紀の間で「古事記」や「日本書紀」にも小豆栽培の記録があるそうで、その後大豆が収穫される様になった頃から豆の大きさの比較で「小豆」と記されたそうです。
小豆の赤い色が悪を祓う『陽力』を持つと信じられていた事から、赤飯や小豆粥など祝い事に欠かせぬものとして日本の生活に根付き、和菓子の餡の材料としても用いられてきたとの事です。
《大納言》
小豆の中でも粒よりのもので、豆も大きく柔らかく炊いても表皮が破れにくい事から、切腹と云う行為が無い公家の官位である《大納言》と名称された様です。
★小豆の栽培
マメ科の一年生草木で高さは30〜60cm。
7月上旬〜中旬に種を蒔くと、8月下旬頃に蝶のような形の黄色い花が一斉には咲かずに、花序に順を追って次から次と9月中旬〜下旬頃まで咲き続ける。これは無限伸育と云って花が咲きながら草の生育も進む特徴がある野性的な作物と云われている。
花はその後、莢(サヤ)に変わり細長い円筒状に伸び、中に5〜8個の実(種子)が出来これが「小豆」だそうです。
収穫は9月下旬〜10月下旬にかけてですが、大きくなるこの時期虫害にあう事も多く、時には思った程の収穫が出来ない時もあるそうです。
花の咲く時期が長い為一斉に収穫出来ず、2〜3回多い時は5回程に分けて熟した莢から順番に摘み取るのでかなり手間がかかる作業の様です。
昼夜の温度差がある地域に良質のものが育つと云われ、北海道は主産地として有名ですが全国各地で栽培されています。
収穫後の小豆の莢は日陰で乾燥した後、粒を取り出して調整しますが日に当て早く乾燥したり高温で乾燥させると、種皮が黒ずみ品質が劣化したりシワ粒になって煮た時皮が破れたりするので気を遣うようです。
その後取り出した粒を、色の濃淡や粒の大小により選別し出荷されるそうです。
人力に頼り、時間のかかる作業を経て当店など菓子業界に手渡されているのです。
千年以上に亘って作られ日本の文化と共に歩んできた「小豆」も、最近では豆を食べると体に良いと見直され需要も多いようで、品種も数多く時代と共に改良されている様です。。
当店では一昔前、「地小豆」と云って地元の農家の人が作った小豆を赤飯などに使ったりしていましたが、手間をかけて世話をするお年寄りが年々減って質・量共に揃わない事から今は北海道産のみ、本当に美味しい「地小豆」もあったのですが・・・
一升瓶数本に綺麗な小豆入れて来て「あんちゃん買うて!」と云われ買ってたねぇ〜