OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 お か み の 一 年・・・ 』

今日から十二月、陽が落ちるのも日に日に早くなり2〜3日前からは寒い日が続いています。

 昨年の今頃、“すこやか健診”の健診結果で思いがけず再検診に行くようにとの報告を受け検診前の不安な毎日を過ごしていました。
 再検診の結果“癌”が見つかり年明けに手術する事を決め、暮れの餅搗きをひかえて忙しい中、術前に必要な諸々の検査に病院通い・・・ 
 出産以来の入院を前に周りの心配は感じるものの、入院中の店の事・仕事の事・家や店主の事など云い様のない焦りを感じていた日々でした。
 
 無事餅搗きを済ませ迎えた正月、何時もはゆっくり過ごす三が日は家のかたずけや帳簿整理とバタバタと過ぎて入院、年明け最初の手術日に手術を受けお陰様で術後の経過も良く、一ヶ月程の入院中に注文を受けて忙しい時二回程外泊して仕事、手術は体力のある時にするものだとつくづく思いました。 
 
 退院後、通院しながら一応の治療が終わった春頃には傷跡は癒えないものの外見はこれまでと変わりなく店番など日常生活を送る様になりました。
 当初は布団の上げ下ろしなど気遣ってくれた店主も、前と変わらぬ時間が戻ってくると共に患っていた事も忘れていく様で十月に退院後初めての検査を受ける私に「もう治ったやろ!」と云ってみたり・・・
 
 「店を継ぐ!」と云って勤めを辞め三月末から仕事をしている息子、まだまだ店主や姑の片腕には成っていませんが私は本当に助かっています。
 
 家族の支えを感じ、親戚・知人・友人達のやさしさを改めて知り、命の大切さや危うさを考えたこの一年。
 術後目覚めた時に思った、深い感謝の気持ちと日々大切に生きようとの誓いは月日の流れと共に頭の片隅に追いやられたこの頃ですが、自分を見つめ直す良い機会を与えられた事に感謝して完治と云われる5年を目指して生きて行きたいと思っています。。
 
 今回は私事で申し訳ありませんでしたが、試練の一年を乗り越えた事を感謝して伝えたくて・・・   


何年も先から薬飲んでる貴方、私が病気になんて思ってもなかった!?


2011/12/1

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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