2007年も残りわずかで終わろうとしています。
明日から本格的に始まる正月餅の注文受付や続く餅搗きに専念する事となる前に、本年最後のご挨拶をさせていただきます。
私が当店のホームページを開くにあたり、あらためて商いを見つめなおした時・・・金沢の人々はなんと心豊かに暮らしている事か!又これらの物事に当店など生菓子店が関わりを持ち商わせていただいているんだなぁ〜との思いが・・・
最近「城下町金沢」の世界遺産登録再提案という事で、茶の湯文化の中での和菓子が見直されているようです。
伝統文化の中で生きる和菓子(上生・干菓子等)は確固たる地位でこれからも取り立てられてゆく事と思います。
それに引き替え、人々の暮らしの中で息づく生菓子(餅菓子・饅頭・赤飯等)は生活形態の変化の波の中、日々変わり消えてゆく文化もありこのままなにもしなくていいのか?これまでの商いの中で学ばせていただいた金沢の暮らしの伝承文化を一つでも書きとめられたらとの思いが強くなったのです。
繁盛期には120店舗近く加盟していた金沢生菓子専門店会の加盟店も、半世紀過ぎた今は60店舗ほどと半数近くになったのも時代の流れとはいえ寂しい事です。
私が嫁いだ頃には当店も店先にはいつもお客様の姿が見られ、季節ごとのご注文も結構いただいていたような気がします。
娘さんを嫁がせるお客様からのご注文がいただければ、そのお客様との長いご縁が結べると云われ、婚礼時に始まり季節ごとの届け物・娘さんの出産前から出産後と続き毎年3〜5度のご注文をいただけたものです。
今では結婚も家と家の結び付きとの認識も薄れ何事も簡素化されたように思われます。
日々の生活の中での食文化も変わり、ちまたには食べ物が有り余るほどある反面、身体の為には食べたい物も我慢する。
私達の予想をはるかに超えた社会の変動が、ここ10〜15年の間の生菓子店激減の一因となった様な気もします。
店主は「大きな流れにはさからえん!!」と、なかばあきらめ顔・・・
当店の四代目は小さな頃から「饅頭屋の息子」と云われ、社会人となる時も少なからず自覚があったものの店主のはっきりとした意向が示されず、理解ある職場の勤めにつき暮れの餅搗きなど忙しい時には快く手助けしてくれ、今春その気持ちをわかってくれる良き伴侶も得て今日に至っている。
私は「うちのように昔ながらの餅屋として商う事はこの先望めないのでは?」といった危機感は常に感じている。
ともあれ真面目に正直に商いをつとめよぉ〜。 ご挨拶のつもりが、やっぱりぼやきおさめ・・・
最後に日頃当店を可愛がって下さるお客様と、本ページをご覧の皆様、ホームページを作るように勧めてくれた友と娘達に、そして何も知らずにぼやきの(タネorネタ?)となってる店主に感謝の気持ちを込めてありがとう。 どうぞ良いお年をお迎えください。