当店が、トップページ写真の様な建物となったのは1988年(昭和63年)2月です。
今年で丸20年! 「10年毎に改修すれば建物は長持ちする。」と、設計してくれた私の兄が我が家に立ち寄る折りに度々助言してくれていたものの、丈夫なのを幸いに一度の手入れもなく今日に至り、大雨の時の窓枠からの吹き込みや、外壁の飾り鉄枠の錆など改修となればこれまた大事になるのではと一日伸ばし・・・
それも限界に近付いているのでは!?と思う今日この頃。。
20年前店を新しく建て替えるにあたり、店主が云った事はただ一つ「堅牢であれば他はな〜んも云わん!」
店主の理想としては、白山の麓の手取川上流白峰に、昔大水で山から流されて来たと云う“百万貫の岩”これを彫って家にしたい!!まるで戯言・・・
どうして運ぶが? 誰が彫るが? などと付き合いきれない話に付き合った日々・・・
そこで当時にしては珍しい打ちっぱなしのコンクリート、およそ和菓子屋とは思えない様な建物と成った。。
京都で設計事務所を営む兄には、「石なの家!」と云っただけで詳細はお任せ・・・壁方式にしたので鉄筋特有の大きな柱は無いものの建物の横に張り出した袖などが有り、間口の広かった昔の店に比べると四分の三程の間口となり、店内も随分と狭くなったので新装開店当時はお客様に「狭なったねぇ〜」とよく云われたものだ。。
地鎮祭の事は、祭儀の後「地下が岩盤でしっかりしてるから思ったより掘らんでいい。」と云われた為記憶に残っているが、建前をした記憶がなく今回あらためて聞くと鉄筋の時は無いのではと云われ納得。。
完成が2月と云う事で62年の暮の餅搗きは、店舗の後ろにある仕事場と2軒隣にある仮店舗との往復で大変だった。
建前が無かった分完成時の御祝いで頂いた酒は、毎晩五合の酒を飲み干している店主が最後の一本をあけた時は夏になっていた!と云う程あり、誰に分ける事もなく「腐らんうちに飲まんなん!」と云っては飲んでいたのを今も思い出す。。
いつも物事をあまり考えない店主でも、思う様に事が運んで行かず大変だったようです。
家を持つという事は、本当に大変な事です。。。
建てっぱなしの貴方には、やっぱ“百万貫の岩”の方が良かったのかも!?