OKAMIのぼやき

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『報 恩 講 っ て・・・?』

この時節になると、朝の餅搗きに報恩講に使う注文の丸餅が加わります。例年11月半ば過ぎから12月の初めにかけて、仏壇を守られているお宅やお寺などそこかしこで報恩講のお参りがあるようです。    
これもまた年々早くなってきて、今年は10月の中頃から餅の注文がありました。
   
 報恩講とは浄土真宗の開祖親鸞の忌日(陰暦11月28日)を最終日とする7昼夜に亘る、祖師への恩に報い恩返しを行う法会のことだそうですが真宗王国と云われるここ金沢で『ほんこさん』と云われ大切に受け継がれています。私も子供の頃、仏様のお祭りの日と聞かされ紫や赤・緑の幕を廻らし旗を立てたお寺へお参りに連れて行ってもらったものです。
   
 当店に嫁いでからは、報恩講にもその地域やご近所付き合いで色々なかたちがある事を知りました。ご近所同士おはぎやお餅を配りあったり、近郊の山手の方になると本寺からのお坊さんがその地域を1〜2日泊りがけで回られ、お宿をする家やおときの接待をする家など年毎に交替で行われる様で、今でも大切な一年の要のお勤めらしく仏様へお供えの大きな花の包みや沢山の食べ物を抱えお餅を取りに来られます。
何軒も重なる注文に、店主や姑は何日〜何日は田上の方、何日〜何日は湯涌の方とよく覚えていていつまでも覚えられない私に情けない思いをしているようです。    
     
 お寺の報恩講も祖師への大切な法要、新年を迎える前の最後のお勤めとなり毎年お供えの白餅や紅白の餅、またお参りに来られた人達へのおとき(食事)の赤飯と注文を頂きます。    
 当店近くには富山の由緒あるお寺の分院があり報恩講の日・・・昔、大学病院前が市電の小立野台終点だった頃には、電車が着くたびに着物を着込んだ檀家の人達が多勢店の前を通られ、えんどう餅・草餅など店の商品が飛ぶように売れたそうです。    
10年程前までは、昔には及ばないもののバスが着くとお参りの人らしき方達が連れだって店へ餅を買いに来られ、帰る時にもお土産として買い求められたものでした。    
ここ数年は車社会となり、寺へ送り迎えとなった事や世代交代で餅を食べて一日をお寺で・・・という人達が少なくなったのでしょうか街を歩く姿がめっきり少なくなりました。    
   
 最近のガソリンの値上げや環境問題などの話を聞くと、電車があり小立野への坂を揺られながらゆったりと上って来た時代が良かった、そんな時が又!?と思っている店主・・・
 めまぐるしく変化する時代の中、一昔前の事を懐かしみながら餅を搗き、夕暮れのひっそりした街を見ているだけでいいのかなぁ〜。

2007/12/9   

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

 

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