OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 伝 え る べ き 事・・・ 』

金沢では7月13日〜16日までがお盆、今年は降り続く雨の中傘をさして墓参りする姿が報道されていました。
  
 先月末に骨納めをすませた私の実家の母の新盆でもあり、実家の墓には盆に先立つ日曜日に早々とお参り下さった親しかった方からの『キリコ』が下げられていました。      
 
 例年の様に13日晴れ間を見計らって店主と姑が先に墓参りに行き、我が家の墓など2〜3ヶ所参った後実家の寺に行くと京都から来ていた私の次兄に出会わしたの事でした。
話を聞くと、たまたま所用で金沢に帰っていて来たついでに墓参りと思い花屋へ行き『キリコ』を見てお盆と思い出したとの事でした。
 
 翌日店主と共に墓参りに回る私に、「昨日は急いていて花だけ供えてきたけど、『キリコ』下げといて!」と頼んできました。
新盆に参って下さった方々の『キリコ』を見て、実家の名前の『キリコ』が無い事をすまなく思った様です。先日富山に住む長兄に墓参り頂いた方にお礼の電話をかけてほしいと伝えた時、「今なんで墓参り?」と云われ話がかみ合わなかったのもお盆は8月と思い込んでいたのです。 
 
 実家の墓に二人の兄の『キリコ』を下げホッとしました。金沢で父亡き後一人暮らしが長かった母はお盆の時、共稼ぎで忙しくしている富山の兄夫婦やお盆は商売で忙しい私に遠慮して、参る墓が共通している里のお嫁さんの車に便乗させてもらい墓参りをすませていたのでした。
 
 8月旧盆の盆休みに参りに来ていた兄夫婦達や、母の様子を見に来た時に墓参りをしていた姉夫婦は『キリコ』が下がった墓参りを知らず、母が毎年参っていた親戚の墓所も知りません。私は嫁に来る前一緒に参っていたおぼろげな記憶だけ・・・それでも今年は、親戚で新盆を迎えた方の墓へ兄の名前で『キリコ』を持って参りに行ってきました。
せめて跡継ぎの長兄夫婦には、7月の盆に一緒に回って教えておくべきだったのでは?と今さらながら母の遠慮が恨めしく思えます。

 縁続きや親しかった人の墓に参り合うのも金沢独特の慣習の様で、いまだに当家の墓参りに来て下さる方々に感謝しています。

 半世紀近く金沢以外の土地で暮らすとその土地の慣習や文化が身に付いてしまうのか、母の葬儀の諸々で富山・京都・大阪・金沢とお互いの流儀があって調整に長兄も苦労していた様です。
大学から金沢を後にした兄達や、嫁いで金沢を離れた姉もルーツは金沢・・・金沢の地に先祖がいる限り何時までも忘れないでいてほしいものです。その先になったら・・・世界はひとつかなぁ〜。。

  

神・仏はさておき先祖が一番の貴方、子供達にはきっちり伝えよう〜


2010/7/15

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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