OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで30数年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 も う す ぐ 氷 室・・・ 』

真夏の様な暑い日が続いていますが皆様お元気ですか?
昨日は5月30日以来16日ぶりの雨が降りホッとしましたが梅雨入りはしたのかな?沖縄では梅雨明けとの事、ニュースで干上がった水田を見て店主は今年の餅米の出来を心配しています。
  
 今年も『氷室の日』を前に、12日は金沢生菓子専門店会の会長ほか数名が誓願寺にて道願屋彦兵衛翁の墓前へ恒例のお参りを、お供え下ろしの氷室饅頭をつまみに一献・・・店主が持ち帰った某饅頭屋さんの綺麗な酒饅頭。
 25日には、これまた恒例となった金沢市内養護施設への寄贈が行われるのでひと足早い氷室饅頭を作ります。
 
 藩政時代に夏まで貯えた雪を江戸の将軍家へ献上した加賀藩主も立派ですが、その事に因り雪に耐えた麦を原料の饅頭を氷室行事用、氷室進物用として売り出し「万の頭に出世する」の意味も含め『氷室饅頭の日』として7月朔日の風習にと受け継いできた先祖にも感謝です。
 
 当店でも私が嫁いだ頃は酒饅頭と薄皮饅頭と二種類作っていましたが、酒種から作るのは手間と時間がかかり冷めるとかたくなるので本当の酒饅頭を知らない人には作り置きの様に思われ今の饅頭だけと成りました。
 その後、清酒を水の代わりに混ぜたりした事もありますが蒸したては酒の香りがするものの冷めると普通の饅頭と大差なく「せっかくの酒が!」と店主の酒への思いが強く何時しか作らなくなりました。
 
 今はパンの様な酒饅頭が多いようで、噛めば噛むほど味のある酒饅頭は柔らかいのが好きな現代の人には受け入れられないのかも知れません。
 
 暑い夏を迎えそうな今年は特に、(夏越し)の体力を養い夏バテしない様に氷室饅頭をご賞味下さい。。


彦兵衛翁も一献傾ける人が少なくなって淋しいってか?


2013/6/16

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく・・・

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