今年もあと十日程で、恒例の7月朔日「氷室の日」を迎える。
24日には、これも恒例となっている養護施設などへ金沢生菓子専門店会から氷室万頭が贈られる。
そんな忙しくなる時を目の前にして、同人誌「櫻坂」の17号が発刊されました。
お誘いをうけ前号で初めてエッセイを投稿させて頂き、編集の方に「今度は小説を…」との言葉を真に受け、身の程知らずで書いてしまったのです。
発行が夏を迎える頃と聞き「氷室が近いなぁ〜」と思い、ふと氷室万頭の開祖「道願屋彦兵衛さん」が浮かび、昭和四十五年に金沢生菓子専門店会が二十周年行事の一項として、業界の人達に配られた「生菓子屋読本」を読み返しました。
それをきっかけに調べてみると、藩政時代の人や出来事など書いた「金沢ふしぎな話」(咄随筆の世界)にも登場していたりで噺になりそう…
本に載る前のご挨拶をと、毎年氷室前の12日に行われる道願屋菩提寺である誓願寺の墓参りに、今年は店主に変わって私が参らせてもらいました。
道願屋彦兵衛さんの怒りを買ったか、はたまた私の拙い物語が情けなくてか、店主いわく「滅多に雨の中での墓参りないのに…」寺へ向かう時も雨、帰りは土砂降り…
それでも「氷室」についてあらためて学ばせていただき感謝しています。
彦兵衛さん、墓に酒かける貴方を探してたかな?