暑い毎日が続いていますが、南半球で開催されているオリンピックで夜更かしも続き、皆様の体調はいかがでしょうか?
当店では五月から二ヶ月近く、もやもやした思いを抱えていた暑苦しい時期があり、暫くは心がささくれていました。
始まりは5月19日昼下がり一本の電話で、能登方面から餅を送ってほしいとの依頼があり、先に掲載された『金澤』の雑誌を見ての注文と云って、私が生ものを送る事を渋る言葉には「品物がどんなになっても文句は言わない」と丁重な文面のFAXまで送られてきた。
当初は近くに饅頭屋ぐらいあるだろうと不審に思ったが、「明日急に親戚の人が参りに来るお供えに」と頼み込まれ、当店近くの会社をよく知っていると云って、「雑誌のが美味しそうだったから」と云われ、店頭に残っていた餅と万頭二十数個を送る事にした。
FAXには三本の電話番号も書いてあり、通常使っていると云う携帯電話にかけると本人が出て、振込先や金額を教えて納品書にも書いてあるからと伝え、外出先から帰った店主を急かせて宅配便を出しに行った。
届くのは20日(土)振込みは翌週になるだろうと思っていたが、送ると云った時あんなに喜んでいたのに届いたとの電話もなく、当初の不審な思いがよみがえった。
翌週の数日たっても振込みはされておらず、その頃から店主が「前に詐欺の記事で名前を見た」と言い出した。
ネットで検索、「石川県・名前・詐欺」まずは被害者のブログがあり、そこからつながり次々と記事が掲載されていて、十年程前に制作されたテレビ局の詐欺被害特集にも出演?している。
当初は「お取り寄せ品」販売の遠方の業者が被害にあっていて、電車賃使って取り立てに来るほどの金額でもなく被害届けも出さずに泣き寝入りのようだった。
しかしテレビで報道されたことで、何件もの被害が明るみになり逮捕され、その後も懲りずに罪を重ねて再逮捕と云った2回の逮捕歴と、ネット販売者には注意人物として名前が挙げられていた。
そこで地方雑誌に紹介された無知な個人商店を狙ったようで、思い通りに引っかけられた。
まずは雑誌『金澤』に、同様の被害が出てないか確かめ今後の掲載店への配慮を申し出て、5月末に振込み催促の電話をかける(最初にかけた携帯電話以外は全てつながらず)が思ったように留守電で、振込むようにとメッセージを残す。
案の定なしのつぶてで6月10日を過ぎて再び催促の電話をし、今回は留守電メッセージに詐欺常習を知っている事をにおわせ、振込まれぬ時には警察に届け出ると残した。
留守中に届いたFAXには、時候の挨拶に始まり丁重な詫びの言葉と共に7月5日まで待って欲しいと書かれていて、それを読んだ店主に「払う気ない、わずかな金やし諦めろ」と云われた。
送料を入れても4000円に満たない、わざわざ作ったわけではなくあの日売れ残った品を処分したと思えばいい、騙された私が悪い?と様々な思いで7月5日まで待った。
7月6日は店主が前日より泊りがけの会合で(天の啓示か)臨時休業、振込まれていないことを確かめて留守電に「これから警察に届け出る」とメッセージを入れ中署へ出かけた。
相談室を訪ねたが詐欺の届出と云う事で担当刑事を待つ間、退職後相談係となった人と話し詐欺罪のことを学び、刑事罰がおり罰金はあっても支払い請求は民事で裁判となるなど被害者への救済はないことや、前科は6年で一応消えるなど聞いた。
私も、今回の詐欺師が元教師だった事や、FAXの文面を見ると字も文も整っている事、でも詐欺を悪事と思っていないようすなど話した。
刑事が来てからの事情聴取は、私が犯罪者?と思うほど細部にわたって聞かれ、不審に思いメモしておいた事が役立ったが、最初の電話でのやり取りを細かく聞かれ「詐欺やと思えば、こんな事になっとらん!」との言葉が喉元までこみ上げていた。
正式な被害届は日を改めてと云って、刑事がその場で携帯電話にかけたが留守電で「被害届け出とるから連絡するよう」とメッセージを残し、再度電話したが留守電機能を消し呼び出し中が続き、刑事と根競べしていたが切れた。
翌日夕方近く「来週月曜日に振り込む。迷惑かけてすみません」と云って電話があり、程なく刑事からも電話がかかり「謝って来たので、謝る相手が違う!直接云うていけ」と云ったそうで、何を云ってきたか聞かれた。
「今回は振込先も改めて聞いていたので来週まで待つ」と返事して、月曜日に振り込まれたのを確かめて刑事に電話した。「また何か云ってきても聞かんように」と云われたが、当然でしょ!!
今まで、住所や電話番号などはっきりしていれば後払いで送っていたが、店主は同業者に「前払いか着払いや!」と云われたそうで、これまで支障なくやってきた事を非難されたが…。
「お前の粘りには・・・」と、褒めたのか呆れたのか!?