OKAMIのぼやき

 

三代目の饅頭屋に嫁いで40年、この中で結ばせて頂いた数々のご縁・・・
商売とはまるで縁のない家庭に育ち一つずつ教えられ今日が在る。
でも・・・これは?と云う思いがぼやきとなる。

『 初 夏 の よ う な・・・ 』

 


 万物が成長して、程よい大きさになる頃と云われる二十四節気の「小満」も過ぎ、所用で車を走らせた白山市では、田植えが終わった水田もあったが緑黄色に色付いた麦畑も見られた。

 店頭にみえられるお客様から「くず餅は何時から作るの?」と聞かれる事も多くなり、「笹がまだ若くて」と答える店主も週明けから作るようだ。

 葉の小さな笹しか採って来れないので、とうぶんはくず餅しか作れないが、早くからスーパーではくず餅・笹餅・ささげ餅が売られていて、それを見ているお客様にはじれったい事と思う。

 去年笹を採っていた所が様変わりしていて、採る所も年々山の方に移動し、山から里へと下りて来るのが増えた熊との出会いも心配…。

 やぶ蚊はまだ出ないが、おろろと蜘蛛の巣を払いながら笹取りの店主の夏が始まる。
櫻坂
 そんな働き者?の店主に手を合わせながら、締切りに間に合うようにと書き綴った短編小説が載った同人誌「櫻坂」が発刊された。 
 
 創刊十周年の年で、年2回発行の今回19集と次回20集は記念号として編集に力をそそがれるとの話で、二年目のひよこの私には挿絵のプレゼントがあった。
 
 「そんな暇があるなら商売に…」と言いたげな顔は見ないように、そっとページを繰っている。


豚に真珠、貴方に本だもんねぇ〜


2015/5/24

高鼾の店主の寝顔を見ながら私はぼやく…

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